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2023.10 佐賀県職業能力開発協会

「能力開発さが」2023.10号に弊社社長の記事が掲載されました。

社長さんこんにちは・・・P14参照より抜粋→掲載記事

株式会社大神

代表取締役社長 吉村 正 様

オーダーメイドで、唯一無二のダントツな生産機械製造メーカーを目指して!

「創造」と「挑戦」を継続してきた50年

オイルショックの影響で10年間勤めた会社を退職し、昭和51年に27歳で「大神工機」を創業して、海苔機械の製造販売を開始しました。海上での採取等の機械化が遅れていたので、これを合理化しようと海苔採取用ポンプや竹を抜く機械の自動化に取り組みました。竹立ての技術の応用は、その後レンコンの収穫用でも使用されました。しかし、海苔の新種の病気等の発生もあり、これ以外の仕事へ比重を移していきました。

昭和54年に本社工場を移転し社名も「株式会社 大神(だいしん)」とし、当初は生産の補助機を製造していましたが、その後生産そのものの機械を製造しています。現在は全体の5割を食品関連の機械装置を中心にしていますが、平成3年からはトヨタ自動車九州(株)の九州進出に伴いトヨタ紡織から設備機械を受注し、現在は自動車関連の仕事が3割を占めています。

創業当時からお客様から個別の要望に応えられるよう自分ならこうするというアイデアを持つようにしていました。そして、設計・製造・据え付け・メンテナンスまで一貫して行って300種類以上の機械を製造するまでになりました。

人と仕事の調和を目指した製品開発

製造現場は3Kとよく言われるので改善できないかという相談をよく受けました。そこで機械を使うことで人の負担を減らし効率と生産性の向上ができないかと考えました。

腰痛防止として、アスパラ農家から直接依頼があり、中腰姿勢での収穫作業の負担を減らすために農業用機械として収穫電動台車を開発し製造しました。また、板ゴム会社に行ったとき人力で重い板ゴムを積み重ねていたので、これを機械化すれば作業負担の軽減や効率化ができないかと考え提案し実施しました。

お菓子メーカーの製品カットを以前は人の手で行われ時間と労力がかかっていました。現在は超音波カット装置を導入することで切りにくかったものをクリアにカットし端数を減らして、正規製品を増やすことができています。

このように、人と仕事の調和を満たす企業理念のもと、人の手では、手間暇がかかる作業やキツイ作業を機械化することでより働きやすい環境づくりに貢献していきたいと思っています。

社員の成長のため

技能向上と習得のため、検定や研修の経費は会社で負担しているので、多くの従業員が技能検定2級そして1級を取得してくれることを期待しています。今年はマイスターからポリテクセンターで指導を受け技能の習得に励んでいます。そして社員一人ひとりが、ちょっと難しいと思うことも何とかするという気持ちで+(プラス)10%の技術力を身につけてくれることを期待しています。また、私自身が年数回社員と個人面談を行って、本人の希望や期待していることを話しています。

お客様により分かりやすく製品の説明ができたり、同じ部署で若手とベテランとの会話がよりスムーズにできたりするようコミュニケーション力を向上させようとしています。今は毎週木曜日の朝会で、部署を問わず同年代の3人から5人で1グループをつくり、仕事の気づきやそれ以外のことを話すことで対話力の向上を図り、会社の改善や発展につながる提案が出てくるようになればと期待しています。

また、人材確保を含め当社のことを知ってもらおうとラッピングバスやテレビCMなども実施。おかげで多くの方に知ってもらえるようになり、就職希望者も増えつつあります。

唯一無二のオーダーメイドによる生産機械製造メーカーを目指して

大手食品メーカーへ納入している「チャーハン炒め機」は、具材が焦げ付かないよう、鍋をずっと回し続けていて職人の動きを機械で再現しています。この鍋ひとつ分で250人前のチャーハンが製造できます。この機械は15年ほど前から製造しており、より美味しくするために改良を積み重ねています。そして「連続式炒め機」で令和2年に2年連続で佐賀県工業大賞の「知事賞」を受賞しました。これ以外にも、食品メーカーのお客様から求められるすべて仕様の異なった製品の製作を、培ってきた技術力と対応力により実現化しています。 だから、「本当に新しい、世にない、一つだけの機械」というのが大半です。また、一度完成したらそこで終わりということはなく、お客様の声を聞いて、より良い機械にするために日々改善に取り組んでいます

これからは、一つの事業で大きく成長するのは難しいためメインを持ちつつ複数の部門を持つことが大事だと考えています。そこで見本市への製品の出展や見学にこちらから出向き新たな情報を得たり、各業界の情勢などを肌で感じたりするようにしています。

今後もお客様の要望を形にするオーダーメイド機械メーカーとして、生産・産業用機械を提案していきます。仕事の一つ一つが新たな挑戦なので、トライアンドエラーを繰り返し多くの仲間で乗り越え、お客様の要望に対応し唯一無二の生産機械を製造していきたいです。これからは、現在の工場の西側に新工場を建設し、新たな挑戦をして「大神ブランド」を高めたいと考えています。